海外信託・法人は香港・オフショアにて設立されます。まず、香港信託・法人には設立には3パターンありますのでご紹介します。
(1)信託契約での信託(Trust)を創設
信託契約にて、信託管理者(「Trustee」)(銀行・証券会社が手数料高く運用、TCSP業者・弁護士法人は合理的手数料でご提供)を選任し、委託者 (「Trustor」 もしくは「Settlor」)により、信託(「Res」)をTrusteeの信託口座(「Client Trust Account」)に拠出し、信託受益者(Beneficiary)を選任します。Trusteeは、信託契約や委託者の指示で信託財産を運用します。 (TCSPとはTrust and Company Service Providerという信託管理ライセンス保持の業者です)

諸説ありますが、信託は法人の様に居住地を指定することができ、英国バージン諸島等のオフショアにて設立が可能です。香港は英国法を継受しているため、香港弁護士はオフショア諸国での信託設立に慣れています。
利点は、秘匿が守られることで、後術の遺産相続、資産防衛、資産運用に役立てられます。 TCSP業者や弁護士法人がTrusteeとなると合理的な手数料にて信託管理を行います。
(2)信託会社(Trust Company ) の設立。
法人登記所(Companies Registry)にて、手続き的には、通常法人(Private Company)の設立と同じですが、以下が異なる点です。
(ア)定款にて、法人目的を設定
(イ)香港$3,000,000(4、100万円)以上の資本金
(ウ)取締役最低2名
(エ)香港$1,500,000(2、070万円)の供託金(上記資本金から)
利点は、(1)の信託と比べ、登記することで信託設立コストが抑えつつ、信託管理会社が運用しますが、登記されているため秘匿性が担保されないません。
(3)Company Limited by Guarantee (有限責任保証会社)の設立
法人登記所(Companies Registry)にて、有限責任保証会社という、持分会社の設立を行います。持分制度であるので株主は存在せず、出資額の範囲内での有限責任となります。
利点は、(1)の信託と比べ、登記することで信託設立コストが抑えつつ信託管理会社が運用しますが、加えて、「慈善信託」として税務局(Inland Revenue Department)からの承認を得て、ガイドラインに従い拠出することで、法人税を免除されます。しかし、登記されているため秘匿性が担保されないません。
海外信託の用途
(A)オフショアを拠点とする信託(上記(1))に資産を移管することで、秘匿性が担保されるため訴訟や税務リスクから防衛できます。また、信託は登記されないため(上記、信託会社や有限責任保証会社は登記されますが)、プライバシーが保護され、拠出額、拠出先、受託者等の情報は秘匿されます。
(B)信託(上記(1))を活用すると、低コストで資産運用が可能です。証券会社や資産運用会社に資産を預けるとメンテ費用高いつきますし、決まった資産しか運用ができません。
TCSP業者や弁護士法人に依頼すると、(証券売買のようなスピードを必要とする投資は不向きです)資産運用プランを柔軟に設定し、確実に実行でき、信託手数料を低価格で抑えられます。弁護士を活用しテイラーメードのファンドを組成し、信託資産は信託口座にて厳重に保管され、弁護士経由で運用指示をするイメージです。秘匿性・プライバシー保護は担保され、法律的なアドバイスも受けられます。
(C)信託(上記(1))を活用すると、相続対策に役立ちます。日本居住者の被相続人が海外資産を所有していた場合、遺産相続は日本で行われるため高額な相続税が掛かります。
節税対策で一番効果がある方法は、日本から海外に居住地を移管後、10年以降に遺産相続が行われることですが、実際のところ日本を離れることは難しいため、日本移住を継続する富裕層が多いです。
被相続人が日本に居ながら、海外信託を活用し、Private Place Life Insurance (PPLI) 等の保険商品を活用することで、日本での相続税を最小限に抑える方法があります。
信託ついてご質問がありましたら、Visence Professional Services Limited にご相談ください。