香港域内の電子決済Free Payment System (FPS) について

香港域内の商取引では様々な電子決済手段が活用されています。WeChat PayやAlipayの電子決済手段も浸透していますが、香港政府としては、Free Payment System (FPS)という送金手段を推奨しています。2018年9月に香港金融管理局 (Hong Kong Monetary Authority / HKMA )により方針が打ち出され、2019年頃から徐々に大手金融機関銀行にて導入されています。コロナ景気刺激策の一環として、香港政府は香港ドル10,000を香港在住の香港永久居民に配布しますが、配布にFPSが活用される予定です。

香港域内の銀行間(もしくはeWallet間)にて、 24時間365日、瞬時に、手数料無料での送金が可能になるシステムで、受取側はFPS登録もしくは指定のアプリダウンロードしておく必要がありますが、送金元は受取側の口座番号を知ることなくメールアドレスもしくは電話番号を指定することで送金が可能です。

HSBCの個人口座において、FPSをインタネット・バンキング・アプリ内で設定します。登録までの所要時間は30秒。その他、HSBCにはPayme というFPSアプリがあり、HSBC口座保持者間での送受金が可能です。 HSBCの法人口座をお持ちの方は、インタネット・バンキングよりFPSを登録することができます。小売店での支払について、Payme が活用されています。

香港域内での法人間取引には送金手数料が掛かりますので、送金手数料を抑えるため従来は小切手(Cheque)を使用ししていました。ここ数年は送金手数料無料のeCheque(受取側の口座番号・メールアドレスを特定し、PDFファイル版の小切手を受取側に送る)が使用されていましたが、今後の法人取引においてFPSの活用が期待されます。

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