香港法人税の納税について

まず、香港法人に係る税務についてご説明します。

年間売上高がHK$2,000,000 (28,000,000円)以上の場合、16.5%。

年間売上高がHK$2,000,000以下の場合、8.25%。

国際金融都市では最低水準です。

また、上記税制は、香港域内で事業を行った場合です。香港域外、則ち、オフショア控除申請を活用すると、一部もしくは全部が法人税の対象外となります。

監査義務

全ての香港法人 (Limited Company)は、ライセンスを持ったCPAより毎年会計監査を受けないといけません。(無限責任会社、合名会社 、個人事業主の方は、その必要はありません)。しかし、新設会社には例外適用され、設立後18カ月以内に、監査を完了し納税すれば、問題ありません。

納税申告書 (Profits Tax Return)

香港法人は毎年納税申告をする必要があります。納税申告書(Profits Tax) は、毎年決済時期になると送られてきます。提出期限は、発行後原則1カ月なのですが、会計時期により提出期限がかわります。

2020年4月1日から2020年11月30日の期間に決済日がある場合、「Code N」
2020年12月1日から2020年12月31日の期間に決算日がある場合、「Code D」
2021年1月1日から2021年3月末31日の期間に決算日がある場合、「Code M」

Code毎の提出期限は以下です

Code N:                                                        2021年6月15日まで

Code D:                                                        2021年8月30日まで

Code M(利益がでている場合)  2022年1月31日まで

言うまでもなく、決済時期は自由に変更できます。

以下が、Tax Return のサンプルです。

Image Right

年間売上高が2,000,000以下の場合、当該法人が税務申告書を提出する場合、監査報告書を添付しなくても良いです。

香港法人が投資をする場合の税務の扱い

香港法人が投資をする場合、特定の要件を満たせば、投資で得た収益について税務がかかりません。Inland Revenue Department税務局は、ビジネス自体が投資事業で無い事、投資が長期的な行われていること、投資収益が香港外にあること、等様々な要素を判断します。投資収益が税務対象になるか否かは、まず監査役が判断することになります。

香港規制 最新版 仮想通貨規制・ディジタル人民元 2021年夏

2017年頃から、香港はフィンテックをはじめとする、仮想通貨(暗号通貨)業界が盛り上がってきました。2018年にはICO (Initial Coin Offering)の発行による資金調達が行われましたが、詐欺行為が横行したため、証券当局 Securities Futures Commissionが監視するようになります。その後、証券当局は、仮想通貨取引所及び仮想通貨業者(ファンド業者も含む)を規制するため、サンドボックス制度を打ち出し、規制制度を模索します。以後、毎年11月のフィンテックウィーク (Fintec Week)になると、証券当局のトップが「仮想通貨の規制をする」という内容のスピーチをしますが、仮想通貨ファンドの規制は充実しているものの、実際のところ、仮想通貨取引の規制強化には至っていません。 

その背景につきまして、証券当局は、読んで字の如く「証券業」を監視・監督する行政機関になります。米国当局は、一部の中央集権型にて発行される仮想通貨(例 Ripple)が「証券」であると判断する流れはあるものの、未だ仮想通貨が証券であるかは確立されていないの現状です。そうなると、セキュリティー・トークン(ST)のように「証券」として要素がある場合を除き、「証券」ではない暗号通貨について、香港証券当局が管轄を主張することは難しくなってきます。また、中国本土において、ディジタル人民元をはじめとする中央銀行ディジタル通貨(CBOC)の導入が進められている現在、中央政府の方針に反しない為、証券当局として安易な仮想通貨関連規制を控えているようにもうかがえます。

よって、仮想通貨取引には規制がない(Unregulated)の状態が続いていますので、今後の動き 11月のフィンテックウィークを含めた当局の動向を見守りたいと思います。香港ベースのフィンテック企業は成長を続けていますので、アジアの「国際金融都市」の地位を維持するため、前向きな仮想通貨関連の規制導入を期待します。

香港法人 カンパニーチョップ

香港法人にて使用されるカンパニーチョップ (Company Chop)(印鑑)についてご説明します。

実際に使用されているカンパニーチョップ

呼び方は色々ありますが、英語では1を「Round Chop」、2を 「Square Chop」、3を「Common Seal」と呼んでいます。

法定要件の整理

まず、香港会社法 Company Ordinanceにて、Round Chop 並びにSquare Chopは要件とされていませんので、Common Sealは、2014年会社法改正において、法人として採用することを選択できるようになりました。しかし、香港の商習慣として必要とされますので、結局必要とされます。

尚、日本の印鑑証明書の制度がないので、取締役役会にて、印鑑を会社であることを承認する必要があります。通常は、法人設立時のFirst Board Resolutionにて承認します。

用途

それでは、どのような場合に使うのでしょうか。

Round Chopは、主に認め印で、配達があった場合に押印したりします。また、政府機関に提出する際に押印を求められる場合があります。請求書や領収書に押印する企業もありますが、これは法的要件ではありません。

Square Chopに刻印されている文字をみると、

For and on behalf of Visence Professional Services Limited (法人名)

   「 —————————————————————————-

                                                     Authorized Signator(ies) 
              (サイン権限者)

                         」

と書いてあります。

法人のサイン権限者でかたが点線(—–)の上にサインします。よって、Square Chopは契約書などに使われる事が多いです。しかし、前述の通り、法的要件ではなく香港商習慣にて必要とされるため、契約相手からSquare Chopの押印を求められた場合に、押印します。尚、香港会社法上は、「For and on behalf of (法人名)」と書いて、サインすれば、当該法人の代表者がサインしていることになり、法人として契約が締結できてしまいますので、注意が必要です。

  • Common Sealは、Deedという特殊な権利書を発行する場合に必要です。鉄製の道具の内部に会社名が刻印されていて、金色・赤色のシールと紙を締め付けることで、印字されます。Deedを発行することで、契約当事者での権利だけでなく、随伴性を維持することが可能になります(別の機会に説明いたします)

調達先

法人設立時に、印刷屋さんにグリーンボックスを作成してもらいますが、グリーンボックスの中に入っています。別途、必要でしたら、上環のMa Wah Lane にて購入できます。

銀行や金融機関

法人によっては、銀行取引において、セキュリティー上の観点から、カンパニーチョップ(Square Chop)とサインを登録し、2つの要件がないと入出金できないようにする場合があります。しかし、登録をしていなければ、カンパニーチョップは銀行取引で必要としません。しかし、金融取引でも年金(MPF)関連の届出書には、カンパニーチョップが必要とされますのでご注意ください。

カンパニーチョップについてご不明な点がありましたら、弊社までお問い合わせください。

香港法人 BR とCIの違いについて

Certificate of Incorporation(「設立証明書」もしくは「CI」)とBusiness Registration (「営業登録証」もしくは「BR」)の違いについてご説明します。

Certificate of Incorporationについて

読んで字の如く、「法人」設立時、即ち法人設立申請をした後Companies Registry (「法人登記所」もしくは「CR」)が承認した日に発行されます (書類不備があったり、社名として認められない場合には、設立承認が下りない場合があります。別の機会に法人設立について説明いたします)。

ここでの「法人」とは、「Company Limited by Share (株式会社)」 と 「Company Limited by Guarantee (有限責任保証会社)」をさします。言い換えれば、この法人形態はCompanies Registry の管轄になります。 「Limited Partnership 有限責任合名会社・組合」は、Certificate of Registration (登録証明書)が登録時にCompanies Registryより発行されます (Limited Partnership の法理について別の機会に説明します)。 

Unlimited Company (無限責任会社)やPartnership (合名会社・組合)は、Companies Registry の管轄ではないので注意が必要です。

ここで注意が必要なのは、Certificate of Incorporation (もしくはCertificate of Registration)は、設立時(Limited Partnership の場合、登録時)の発行されるものですので、設立以後の現在証明をするものではありません(設立後、抹消 (Deregistration)されている場合は否定できません)。 現在証明をするには、HK$170 にてCertificate of Continuing Registration を取得する必要があります (取得には、オンライン申請後、Admiralty にあるCompanies Registryビル13階に出向くか、郵送です)。

また、香港には、日本の全部事項証明書のように、(後術のBRを除き)一挙に法人情報が閲覧できるシステムが存在せず、変更事由毎の届出書が登記されるだけです。年次報告書NAR1は毎年一回提出が必要ですが、提出時には日本の全部事項証明書のように一挙に法人情報が確認できます(しかし、提出後の情報について、逐一登記情報を確認する必要があります)。

以下がCertificate of Incorporationのサンプルです。左上にある No. がCompany NumberもしくはCR Number ( 法人番号)です。

Business Registration について

Business Registration は、「事業開始」(Business Commencement) 後30日以内にInland Revenue Department(「税務局」もしくは「IRD」)に登録しないといけません、

しかし、前述の法人の場合、設立時にCompanies Registry からInland Revenue Departmentに 自動的に情報共有され、Certificate of Incorporation発行時に、Business Registrationも発行されます。以後、法人情報のアップデートがCompanies Registryで行われると、自動的にInland Revenue Departmentに共有されるはずですが、実際のところうまく連携できていないケースがあります(Inland Revenue Department に出向き、修正申請をする場合もあります)。

Unlimited Company (無限責任会社)やPartnership (合名会社・組合)を登録する機関は、Inland Revenue Departmentに限られます。また、フリーランスや個人事業主の方は、本部以外で支店設立する場合には、この登録をする必要があります。 言い換えれば、Certificate of Incorporation がなく、Business Registration しかありません。

Business Registrationは、毎年(選択すれば、手数料は割高ですが3年毎)に更新されます。1年版Business Registrationの値段は、HK$250です(年々変更されますので注意が必要です)。 香港版「均等割り」制度と言っても過言ではありません。コンビニ、銀行送金・FPS、クレジットカードにて決済が可能です。

以下がBusiness Registration のサンプルです。 住所、事業開始日、業種等が記載されているので、Certificate of Incorporationと比べるとより、法人情報が確認できますので、銀行や公共機関にて事業実態を把握さる際に活用される傾向にあります。Business Registration には番号 (Certificate No)があります(青色)ので、前述のCR Noとは異なりますのでご注意ください。 本店は Certificate No の隣の番号が 「000」で、支店は「001」以降になります。Business Registrationの支払い完了すると、支払日・金額が刻印されます(オレンジ色)。

Business Registrationを紛失した場合は、灣仔 Revenue Tower4階にいき、届出書を提出すれば再発行してもらえます。また、Business Registrationの登録情報も申請後、閲覧可能です。しかし、注意が必要なのは、Revenue Tower4階はアポイントを取っているか、入館チケットが必要です (朝8時半ごろから、Revenue Towerの外でチケットを配っています)。

香港SFCマネロン対策の強化

香港証券当局SFCは、今年9月、マネロン対策強化を目的としえ、AML ガイドラインの改定案を発表しました。2018年、国際マネロン対策機関FATFが、Cross-Border Banking Relationship (国境を超える銀行取引)がマネロンの温床になっているという声明を発表したことを受け、米国、英国、シンガポールの金融当局は強化してきました。

同じタイミングで、2012年以降香港HSBC銀行がマネロン事件を見逃していたという報道があり、香港金融当局は敏感になっています。改正案のコアとなる Cross-Border Correspondent Relationship(国境を超える金融取引関係)とThird Party Deposits and Payments(第三者入金及び出金)問題についてご紹介します。

1)Cross-Border Correspondent Relationship

想定する取引として、香港外の証券会社 (「Respondent Bank」といいます)は Correspondent Bank(SFC証券ライセンスを持つ金融機関)に対してオーダーします。オーダーを受けたCorrespondent Bankは、取引所にて自ら約定するか、他のブローカーに転送(Routing)します。FATFが問題視している点は、最終顧客の本人確認はRespondent Bankのみが行っていて、Correspondent Bank側において適切なAMLリスクアセスメントができていないという現状です。また、AML法制度が各国で違うためRespondent Bankのリスクアセスメントに依拠することにはリスクがあると考えています。

従来、対金融機関の本人確認はSimplified Due Diligence が採用され、簡素なリスクアセスメントが行われていましたが、今後は金融機関相手でも通常の顧客と同様のリスクアセスメントが必要になります。結果、AML・KYCの作業負荷が増えることとなります。

2) Third Party Deposits and Payments (第三者からの入金、第三者への出金)

問題視されているシナリオは、以下2つのパターンです。

a) 証券会社が管理する顧客口座に第三者から入金する (Third Party Deposit)
b) 顧客指示による第三者への送金 (Third Party Payment)

昨年のSFC通達(Circular)によると、証券会社がThird Party Deposit とPaymentのリクエストを受けた場合、拒絶するのが基本方針です。例外適用として、Third Party Deposit やPaymentに至った経緯等について社内審査を行い、且つ、ハイリスク扱いとしてモニタリングすることとなりました。実際、通達違反として、今年6月、中堅証券会社の国泰君安証券(Guotai Junan Securities) に対して200万香港ドル(3000万円)の罰金が科せらました。

https://apps.sfc.hk/edistributionWeb/gateway/EN/circular/intermediaries/supervision/doc?refNo=19EC39

改正案では、上記Circular を踏襲しつつ「原則、送金元・送金先のAMLリスクアセスメントは取引開始前に完了する」という条件が加わり、AML審査は一層厳しくなります。

3)証券会社内部管理・監査の強化

改定案では以下の内部統制の強化を求めています
a) 独立したAML Audit 機能の設置
b) AML監査は2年に1回実施
c) Compliance Officer やAML Officer の権限拡充
d) 従業員取引のAMLリスクアセスメントの強化
パブリックコメント期間が12月末に終了し、来年夏ごろまでに改訂版AMLガイドラインは施行される予定です。

香港暗号通貨取引所のライセンス化について

香港証券当局 SFC は、11月4日、暗号通貨の取引規制を強化する方針であることを明らかにしました。法改正の日程や改正内容は今後決定されますが、香港域内において暗号通貨取引を運営する業者(Virtual Asset Trading Platform) は指定される証券ライセンスを取得し、証券当局の管理下において運営することになります。

規制強化の背景として、暗号通貨が資金洗浄に活用されていること香港証券当局は説明しています。一方、新型コロナ休業に多額な助成金を投じてきたOECD加盟国は、今年10月に税収が期待できる暗号通貨を共通報告規準 (CRS) の対象にすることを打ち出しました。

証券当局が暗号通貨業をライセンス化することで「金融機関」とみなされれば、暗号通貨取引所にCRS報告義務が課されます。同時に、顧客状況・財務状況等は各国金融当局に共有されることになります。

香港域内のVirtual Assetの取引について現行法下では無規制ですが、SFCは2018年より、サンドボックス制度において、証券化された暗号通貨(Security Token)について調査を行ってきたことが功を奏し香港におけるSecurity Tokenの整備が拡充されました。尚、暗号通貨取引のサンドボックス制度は事実上の終了に至りましたが、合格者はたったの1社、フィデリティ系のOSLという暗号通貨取引所です。

香港・オフショア カンパニーチョップ、コモン・シール、コロナ禍の電子署名対応

香港法人・オフショア法人を運営する上で、カンパニーチョップ(会社印)の押印を求められるケースがあります。

法的位置づけ

まず、法的位置づけにて説明しますと、カンパニーチョップの「押印」は法律行為ではありません(例外:後述のコモン・シール使用のDeed)。

◦ 契約法上、当事者意思が合致することが要件ですので、両当事者サインで充足です。

◦ 会社法上、即ち法人契約かという問題について、サイン頁に「For and on behalf of (法人名)」という文言の下に代表者が調印することで足ります(稀に、定款にて法人契約の要件を代表者サイン+カンパニーチョップと定められている場合には、カンパニーチョップは必要です)。

◦ 尚、契約書の各ページに「割印」(調印者のイニシャルもしくは丸形カンパニーチョップ)を求められる場合がありますが、法律的行為ではありません。

カンパニーチョップのビジネス習慣

ビジネス習慣として、契約相手から押印・割印を求められのが現状です。また、割印は別添書類が同一契約であることを証明する最良なリスクマネジメント策と考えます。また、郵便の配達・受領の際や、官公庁への提出書類に押印が必要な場合が多いです。 よって、実務では、カンパニーチョップは必要ですので、厳重に保管してください!

銀行口座において、セキュリティー上の問題で、サインだけでなくカンパニーチョップ押印を銀行取引の要件とする場合があります。

3種類のカンパニーチョップ

カンパニーチョップは以下3種類ありますので、用途別にご紹介します。

①丸形カンパニーチョップ(ゴム印)
請求書、郵便配達、契約書割印、官公庁提出書類に使用。

②角形カンパニーチョップ(ゴム印)
契約書、サイン頁下線の上に調印。

③コモンシール (Common Seal)
Comon Seal は、Deed(捺印証書)を締結する際に使用します。 Deedは、契約当事者以外にも義務・権利を与える契約書で、例えば、秘密保持義務を契約当事者が吸収合併しても、存続会社にも適用する場合に適用されます。当事者間の契約はConfidentiality  Agreement (秘密保持契約書)ですが、Confidentiality Deedという契約書において、存続企業に承継されます。Common Seal は通常では使用されない為、会社秘書が保管するのが慣行です。

2014年の会社法改正により、定款により、Common Sealを廃止する選択が可能になりましたが、定着していないのが現状です。

(引用 http://www.rubberstampsonline.com.my/common-seal-mycs-44

コロナ禍の電子署名対応

コロナ危機以前では、契約書を調印する際、当事者を一同を会して、署名・カンパニーチョップ押印をするのが当たり前でしたが、コロナ禍において、ソーシャルディスタンスを維持するため、このような機会は減ってまいりました。

しかし、香港・オフショア諸国において、必ずしも、原本に調印することは法律的要件ではなりません。前述の通り、契約法上の要件の当事者意思の合致が担保されていれば足ります。英米法の契約書において、以下の文言が頻繁に適用されます。

「 This Agreement may be executed in multiple counterparts, each of which shall be deemed an original agreement and both of which shall constitute one and the same agreement. The counterparts of this Amendment may be executed and delivered by facsimile or other electronic signature (including portable document format) by either of the parties.」

和訳:

「本契約は、1個又は複数の副本で締結することができる。各々の副本は、原本とみなされるが、当該副本全ては、1個の、かつ同一の文書を構成する各。各々の副本について、両当事者はファクシミリまたは他の電子署名(ポータブルドキュメント形式を含む)によって調印・締結することができます。」

プリント→調印版→スキャンメール(別途原本回覧)の方法や、ディジタル調印(例Docusign )を活用することで、コロナ禍においても契約書の締結は可能です。

カンパニーチョップや電子署名についてご質問がありましたら、Visence Professional Services Limited にご相談ください。

香港法人・ノミニー活用 1時間で設立完了

香港でも新型コロナの影響により「働き方」が大きく変化しています。特に、会社登記所(Companies Registry)でも、感染拡大を防ぐため様々な措置が取られていますが、eRegistry 制度のサービスはこの数か月で急激に向上しています。 https://www.eregistry.gov.hk/icris-ext/apps/por01a/index?m=n

eRegistry は、2017年程から徐々に整備が始まり、オンライン上にて会社登記や各種通知書・提出業務を行うことができるサービスで、発足時は、技術的な問題が弊害となったケースが散見されました。しかし、新型コロナの影響下の2020年3月頃にシステムが刷新され、サービス内容は飛躍的によくなりました。

eRegistryを使用するには、Companies Registry にて登録が必要になります。香港法人設立について、ノミニー株主制度を活用いただければ、取締役の選任通知書(NNC3)以外の手続きは、全てオンラインで可能で、1時間以内に完了します!

お急ぎの方は是非Visence Professional Services Limitedにお問い合わせください。

今さら聞けない 香港法人基本情報

1.香港法人の種類

法人登記所(Companies Registry)に登記できる法人は、以下4種類です。

① Private company limited by shares  (非公開有限責任会社)

② Public company limited by shares(香港証券取引所上場企業)

③ Private Company limited by guarantee (非公開有限責任保証会社)

④ Open Ended Fund Company (オープンエンド・ファンド投資会社)


本書では、香港進出で活用される①について説明します。香港法上、個人事業(Sole Proprietor)、無限責任組合(Partnership)・有限責任組合(Limited Partnership)はCompany Registry に登記できないものの、設立は可能です。

2.会社名 (Company Name)

登記済みの会社名でなければ、英語、中国語(繁体字/ Traditional Chinese)もしくは両言語で登記が可能です(英語と中国名は同義の必要なし)。会社名の末に、英語の場合は、「Limited 」、中国語の場合は「有限公司」が付きます。

登記されているか否かは、以下のHPより閲覧が可能ですが、法的に成約があります。

https://www.icris.cr.gov.hk/csci/login_i.do?loginType=iguest&CHKBOX_01=false&OPT_01=1&OPT_02=0&OPT_03=0&OPT_04=0&OPT_05=0&OPT_06=0&OPT_07=0&OPT_08=0&OPT_09=0&username=iguest

3.登録住所 (Registered Address

香港法上、法人の登録住所は香港域内に存在する必要があります。


4.株主 (Member)

香港法上、株主情報(氏名・住所)の開示が必須で、1名から50名まで株主となれます。個人(18歳以上、香港居民である必要なし)もしくは法人(香港法人・外国法人)が株主となれます。

株主追加には、第三者割当増資(Allotment)か発行済み株式の一部譲渡 (Transfer)です。第三者割当増資もしくは譲渡後、取締役会にて株主として迎え入れる旨機関決定(議事録調印)し、以後、会社秘書が法定帳簿に記帳します。

当局対応として、第三者割当増資の場合、所定のNSC1にて法人登記所に通知し、株式譲渡する場合には、譲渡証の一式 (Instrument of Transfer及びBought Sold Notes)に対して印紙を取得する為税務当局(Inland Revenue)の承認が必要です


5.取締役・役員 (Director)

最低1名以上(以後、無制限選任可能)、個人(18歳以上)・法人(香港法人・外国法人)、どちらでも選任可能で、個人の場合は香港居民(ビザ)の必要はありません。氏名の変更、住所変更(引越し)、パスポート更新などがあった場合、変更後14日以内に所定のND2Bにて登記所に通知します(登記費用無料、即日登記)。

取締役の自主的な交代について、辞任届・選任届をそれぞれ選任取締役・新任取締役が行い、取締役会に機関決定され(議事録調印)、その旨所定のND2Aにて 登記所通知します(登記費用無料、即日登記)。株主は年次総会のタイミングで事後承認するのが一般的です。取締役の強制的に退任される場合には、専門家にご相談ください。

6.秘書役 (Company Secretary)

香港居民もしくはTCSP ライセンス保持業者(法人)が選任されるのが必須で、会社法(Companies Ordinance) 上の届出書(年次報告書)の作成・提出、法令要件のモニタリング、グリーンボックス・法定帳簿・議事録等の保管が主な業務です。会社秘書の交代には、辞任届・選任届・議事録に調印し、その旨所定のND2Aにて 登記所通知します(登記費用無料、即日登記)。

7.資本 (Capital

1株あたり1香港ドル以上で上限はありません。日本での法人設立とは対照的に、実際の銀行口座払込(「見せ金」)の必要はなく、現金だけでなく、現物出資も可能です。また、過少資本であっても、特段銀行口座開設に影響はありません。香港ドル以外の通貨(例えば 日本円)でも登記が可能です。

尚、2014年の会社法改正で、授権資本(Authorized Capital )という概念(則ち、発行済み株式でも、会社が譲渡されていない株式を保有する)がなくなり、「発行済み株式=譲渡株式」という整理がなされました。


増資(Capital Increase)について、以下が要件です。

① 割当・増資申込書 (Application for Shares)
② NSC1 (Return of Allotment) 登記所に通知(登記費用無料、即日登記)。
③ 取締役会にて機関決定(議事録調印)
④ 会社秘書にて法定帳簿に記帳

減資 (Capital Reduction)について、従前は裁判所承認が必須でしたが、2014年法改正により、株主総会、所定の登記書類の提出、官報公示等の手続きを経て、減資が可能になりました。詳細について、専門家にご相談ください。

8.設立を証明する書類

① 設立申請書(NNC1)(初年度)
② 年次報告書(NAR1)(2年目以降)
③ 設立証明書(Certificate of Incorporation)
④ 事業証明書(Business Registration )(税務局発行)
⑤ 定款 (Articles of Association)
(2014年改正の旧会社法ではMemorandum of Association)

9.会計監査 (Accounting Audit) ・年次報告書 (Annual Return)・年次総会 (Annual Meeting)

香港法人は、年次で、香港CPA資格のある会計事務所に、会計監査を行ったもらい、監査報告書を発行してもらいます。

手順として、会計年度が終わった翌月もしくは翌々月(3月末締めなら、4月か5月)に税務局から税金申告書(Tax Return)が登録住所に送られてきます。発行後1カ月以内(場合によっては、数か月延長は可能です)にTax Return に財務状況と税金申告額を記入・提出しますが、2万香港ドル以上場合のみ、監査報告書添付でTax Return を提出する必要します(金額が満たさない場合は、監査報告書の添付は必要ありませんが、保管は必須です)。 会計関連書類(監査報告書を含め)の保管期間は7年です。

会計監査のタイミングで、年次総会を行いますが、スタータップ企業の場合、監査法人が用意する議事録に株主が調印することで代用になります。同じタイミングで、年次報告書(NAR1)を法人登記所に提出します。

上記に関わらず(NAR1提出義務以外において)、新設会社の場合は、(年次ではなく)設立後18カ月後にTax Return が送らてきますので、以後、監査、Tax Return 提出・年次総会を行いことができます。

9.閉鎖 

債務が多数ある場合、任意清算と強制清算という方法がありますが、1年以上かかり、清算人を選任する必要があります。

債務が存在しない状態であれば、抹消手続き(Deregistration)により、比較的短時間で可能です。

また、一旦、会社を休眠 (Dormant Company) する方法もあります。

ご不明な点についてはどうぞご相談ください。