会計・税務

フリンジベネフィットに対し意外とお得な香港税制

フリンジベネフィットって何?

具体的に何がフリンジベネフィットになるの?

個人が給与としてもらわずに、フリンジネベフィットで支給されることで香港の税制上どんなメリットが有るのかな?

私は香港の公認会計士です。いきなりですが、フリンジネベフィットって知っていますか?現金で受け取らない現物支給のようなものをさします。香港ではフリンジネベフィットにすることで課税対象外になるケースがあります。今日はフリンジネベフィットを説明します!

フリンジベネフィットの概要

フリンジベネフィットとは、企業などが、その役員や従業員などの給与所得者に対し、賃金・給与以外に提供する経済的便益を指し、例としては、社用車の個人的使用、クラブメンバーシップ、雇用主からの無利息もしくは低金利の借入の他、住居において雇用主の支払う光熱費等が含まれます。

英語の fringe は「布、帯、肩掛けの房のふち飾り」、「ふさ飾り」の意味であり、benefit は「利益」「給付」です。給与本体とは別に提供される便益という捉え方から、「付加的給付」、「付加給付」、あるいは、「追加(的)給付」などと訳されることが多いです。

また、給与ではないが便益であることから「経済的便益」、また、しばしば金銭ではなく現物で支給されることから「現物給与」などとも訳されることもあります。

フリンジベネフィットに係る香港の税金

租税条例9(1)(a)(iv)及び9(2A)により、香港で課税されるフリンジベネフィットは、

  • 現金に交換可能な便益
  • 雇用主から支払われる子女の教育費(雇用主が支払い義務を有していても)
  • 雇用主が提供する休日旅行「Holiday Journey」(雇用主が支払い義務を有していても)

になり、

  • 現金に交換できない、
  • 従業員の支払義務を肩代わりしない

限りにおいては、当該便益は給与所得から除外されることになります。

例えば、雇用主(会社)が従業員用に契約している住居についても、

  • 当該使用権を直接現金化できず、
  • 会社契約のため、従業員には支払義務がない

ため、給与所得税の課税対象になりませんが、特別の規定により、みなし賃料が採用されております(関連記事-給与所得税)。

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その他、当該住居の光熱費についても、雇用主がChina GasやHong Kong Electric(香港のガス・電力会社です)と直接契約し会社が支払っている場合、給与所得税が課税されることはありません。

社用車についても、同様の取り扱いになり、個人的使用であったとしても給与所得税が課税されることはありません。これの意味するところは、会社が購入した社用車を、会社の事業所得税上、最終的には全額を損金算入とする一方で、役員を含む従業員が当該社用車の個人的利用も含めた使用に、一切の給与所得税がかかりません。

そのため、この規定が香港でよく高級車を目にする一助になっています。上記以外の主なフリンジベネフィットとしては、医療保険転売不可の食事券無利子・低金利の貸付があります。

税金の金額が変わる!フリンジベネフィットの取り扱い上の留意点

一方、従業員個人が契約し会社がその支払いを肩代わりするのは、給与所得税の課税対象になるので、留意が必要です。例えば、上記のChina GasやHong Kong Electricの光熱費の支払いについて、従業員自身が契約者で、会社が支払うような場合は給与所得税の対象になります。つまり下表のように、同じ光熱費にも関わらず、アレンジをかえるだけで、従業員の給与所得が増えることになります。

契約者 会社 従業員
事業所得税(会社) 損金算入 損金算入
給与所得税(従業員) 課税対象外 課税対象

上記は光熱費ですが、ゴルフクラブの会員権など、金額の大きいものは給与所得税への影響も大きくなることに留意が必要です。

いかがでしょう。香港のフリンジベネフィットは税制上お得なものになっています。もっと詳しく知りたい、これはフリンジベネフィットになるのかなど、何かご質問あればどうぞお気軽にご質問ください