香港での雇用終了と懲戒解雇について

香港法上、雇用関係を終了する一般的な方法は、解除通知です。

雇用契約に通知期間 (7営業日以上のNotice Period) が記載されていますが、記載がない場合、1か月が原則となります。

雇用法(Employment Ordinance)及びコモンロー(所謂香港法のベースとなる英国法 Common Law)による通知期間の扱いですが、例えば、1カ月の解除通知の雇用契約であれば、通知日から1カ月間雇用を継続し退職する場合と、雇用主が解除通知を発信するのであれば1カ月分給与の即日支払により即日退職する方法 (Payment in lieu of notice) があります。後者の場合は、実質的に即日解雇されるケースを指します。

解除通知は書面で行うのが丁寧ですが、法的に口頭での解除通知が可能です。

雇用主が解雇通知を行う際、従業員が以下に該当する場合、原則解除通知を発行は不可です(通知した場合は刑事罰)。

1)妊娠・産休中の場合

2)病欠

3)職務中に被った病気・怪我が完治してない場合

4)従業員が当局に対して労災関連の通知を行った場合

5)労働組合の活動上の行為による解雇

6)陪審員として欠勤している場合

また、2年以上の継続雇用(Continuous Employment)とみなされる従業員は、雇用主に対して雇用終了についての説明を求めることが可能です。

解除通知によらず雇用終了をする方法として、従業員が以下の行為を行った場合、懲戒解雇 (Summary Dismissal) に該当する可能性があります。 該当する場合、懲戒解雇が行われた日以降の給与並びに退職金の支払いはありません。

1)合法的・合理的な指示を意図的に従わない場合

2)不正

3)詐欺・不誠実行為

4)常習的な怠慢

実務では、懲戒解雇を立証するのは非常にリスクが高い為、通知による雇用終了が一般的です。

上記の内容について、ご質問等ありましたら、Visence Professional Servicesまでお問い合わせください。