アフリカ進出ストラクチャー(Risk Management編)

前回、アフリカ進出ストラクチャー(TAX編)について、アフリカ諸国が法人税がたかいため、節税方法についてご紹介いたしました。

今回は対アフリカ進出もしくは投資において、投下した資金が回収できるためのリスクマネジメントについてご紹介します。

前回説明の通り、豊富な資源と、人口増加等の要素により、アフリカ経済の成長は今後期待できます。しかし、

裁判制度の透明性、効率性、アクセスが追い付いていません。アフリカ諸国は長い間、未発達の「法の支配」(Rule of Law) に悩まされています。トランスペアレンシーインターナショナル(腐敗認識指数)によると、世界で最も腐敗が多いされる10か国のうち、6国がアフリカ大陸にあります。

当然ながら、回収リスクを考慮すると対アフリカ投資はどうしても慎重になってしまいます。

それでは、どうすれば、アフリカ投資の回収リスクを低減できるのでしょうか。

まず、前回のTax編でご説明したとおり、アフリカ現地に会社をおき、その親会社もしくは関連会社をアフリカ国外におき、そちらの法人に資金を貯める事です。節税対策が可能になるのど同時に、資金をアフリカ国外に貯める事でリスク回避になります。また、ジョイントベンチャー(JV)形式で進出するなら、アフリカ国外のオフショア法人の株式持分をJVパートナーと共同保有することも選択肢です。

それでは、アフリカ国内で紛争が発生した場合に投資回収を容易にする方法はあるのでしょうか。アフリカ国内の企業と契約する際、契約書に紛争事項国際仲裁(International Arbitration)を選定することをお勧めします。国際仲裁機関は、アフリカ国内の機関でも問題ないですが

英国、シンガポール、香港の国際仲裁機関を選任する事をお勧めします。

国際仲裁条項が契約書に記載されていたら、あらゆる紛争発生後は、国際仲裁機関にて仲裁判断が下るため、アフリカ現地の裁判所を介す必要はありません。要するに、腐敗による裁判手続き遅延リスクを解消する事になります。

国際仲裁機関にて仲裁判断が下れば、それを元に、アフリカ各国にある裁判所に行き、執行Enforcement申請をする事になります。実質的な裁判は既に仲裁機関にて完結しているため、執行に関する事務的手続きのみを現地アフリカ裁判所にお願いする事になります。国際仲裁を使用することで、回収リスクを軽減することができます。

アフリカ進出ストラクチャー (TAX編)

豊富な資源と、人口増加によりアフリカ経済の成長は今後期待できるため、今後アフリカ諸国へ投資・進出する企業はより一層増加すると予想します。資源、人口増加以外でもIT技術のハブとなりつつあるのが、ナイジェリアやケニアを含む東アフリカ連合(East Africa Federation)です。また、エジプトや南アフリカも、引き続き外国人にとってビジネス環境が良好であると考えます。

しかし、アフリカ進出の弊害になるのは税金です。タックスヘブンの香港やシンガポールと比べると、アフリカ諸国の法人税、消費税、所得税は高いため、アフリカから(日本を含む)国外に税務を軽減するためのストラクチャーが非常に大切です。

国名法人税率(%)配当税(%)消費税(%)所得税(最高)(%)
ナイジェリア3027.524
ケニア3051630
エジプト22.510/51425
南アフリカ28201545
香港16.25/8.250017

ナイジェリア https://firs.gov.ng/tax-treaties/

ケニア https://www.treasury.go.ke/agreements/
2つ目の対策は、以下の様に、アフリカ諸国に設立された法人から、ドバイ、モーリシャス、セイシェル、ケイマン諸島、英国バージン諸島などの域外収益に課税されない国・地域にオフショア法人を設立し、口座開設をすることです。このようなオフショア口座に送金することで、税務を圧縮することが可能です。 オフショア法人の設立、税務対策、法人口座開設は弊社までご相談下さい。

中央銀行デジタル通過(CBDC)に関する香港金融管理局(HKMA)の見解

香港の中央銀行である香港金融管理局(HKMA)は今週、香港発行の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の方向性について発表しました。

https://www.hkma.gov.hk/media/eng/doc/key-functions/financial-infrastructure/e-HKD_A_Policy_and_Design_Perspective.pdf

各地域においてCBDCを調査が進められています。例えば、スウェーデンの銀行家は現金の使用の減少を懸念しています。バハマ政府として、金融包摂のためのシステムを構築しようとしています。カナダ中央銀行は、個人向け預金の競争を激化させることを危惧しています。一方、中国人民銀行は、AlipayとWeChatが国のマネーサプライを支配していることを取り除こうとしています。HKMAも同様に調査を行ってきましたが、最大の貿易相手国である中国が発行するe-CNYとの関係性が注目されます。

他の政府によって提起されたこれらすべての問題は、香港にある程度存在します。しかし、HKMAの評価では、これらの問題は、小売業に焦点を当てたCBDC(「rCBDC」と呼んでいます)の導入を正当化するほどのものではありません。

HKMAの見解は以下になります。「rCBDCは現金のデジタル拡張を目的としていますが、その潜在的な需要は非常に不確実です」 「潜在的な保有者は、rCBDCの預金口座から資金を切り替える必要があるかもしれません。これは、商業銀行のバランスシートに影響を及ぼし、銀行の仲介を取り消すことにつながります。」

HKMAの分析によると、銀行の利ざやと収益性が圧迫される可能性があります。これは、消費者が銀行預金を預金が保管されているrCBDCに交換するにつれて預金が減少し、中央銀行が消費者にコストを追加する可能性があるためです。

また、HKMAはこのような懸念を表明しています。「銀行はまた、より高い貸付スプレッドを課すことにより、より高い資金調達コストを顧客に転嫁することを選択するかもしれない」 「資金調達コストと貸付スプレッドの増加が全体的な信用状態の引き締めにつながるという遠隔のケースでは、消費と投資活動は必然的に影響を受けるでしょう。」

HKMAは、これを、rCBDCが無報酬である可能性が高いため、実行される可能性が高いシナリオとは見なしていません。つまり、負の金利のようなインセンティブ構造がない場合です。

「銀行預金に対する価値の貯蔵庫としてのe-HKDの魅力も制限されるべきであり、したがって銀行の仲介リスクは管理可能でなければならない」とHKMAは述べました。

顧客対応側では、HKMAは、rCBDCがどのような問題点に対処するかを正確に把握していません。香港には、回復力があり効率の高い「便利な小売支払いオプションがたくさんあります」とのことです。大量採用は、これが解決する明らかな問題点がある場合にのみ発生します。

なぜCBDCが本当に必要なのかというこの実存的な問題は、テクノロジーを探求した多くの国で、以前は中央銀行によって提起されてきました。

アクセンチュア(ACN)のようなコンサルティンググループとその弱者は、テクノロジーの長所を称賛するホワイトペーパーに基づいてホワイトペーパーを作成する可能性がありますが、それが依然として必要かどうかは不明です。

このトピックに関するカナダ銀行の研究論文は、CBDCを介した福祉の分配からわずかな理論的利益があるかもしれないことを発見しましたが、プラットフォームの純利益に対する一般の認識は依然として課題です。

2021年にこのトピックについて話すと、米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は、その必要性について以下のような懐疑的な見方を示しました。 「私たちにとって本当のしきい値の質問は、すでに非常に効率的で信頼性が高く革新的な決済システムを補完するために、新しいデジタル形式の中央銀行のお金を望んでいるか、必要としているのでしょうか?」

今後のCBDCの動向について注視していきます。

香港 アセットマネージメント事業に係わる規制について (その2)

アセットマネージメント関連のライセンス

それでは、ファンド販売にはどのようなライセンスが必要なのでしょうか?また、アセットマネージメントのライセンス(Type 9) では販売行為はできるのでしょうか?

ファンドを含む「証券」の販売、取次、決済をする場合には、Type 1 (Dealing in Securities)というライセンスが必要です(証券ライセンス)。よって、上場・私募ファンドを問わず、販売するのであれば、Type 1が必要になります。

また、ファンドを含む「証券」のアドバイスをする(投資顧問業)には、Type 4 (Advising on Securities)のライセンスが必要になります。

ファンド組成、一任運用、自社ファンド・アドバイスをするには、前述のType 9が必要です。

ここで、注意が必要なのは、SFCライセンス取得時は、以下の条件を付記されることが殆どです。

  • 顧客資産の管理は不可。よって、Custodian との契約が必要です。
  • 顧客は、適格機関投資家のみ

    香港証券先物法上の「適格機関投資家」とは
    800万HKD(同種ポートフォリオ)/ 4000万HKD(総資産)

ライセンス控除
香港証券先物法、幾つかの控除が認められています。即ち、ライセンスをもたなくとも一定の活動は認められています。
 
A) 前述の通り、Type 9 ライセンスは、REIT、証券・先物契約のアセットマネージメント業務はType 9が必要ですが、付帯控除(Incidental Exemption)にて、Type 9を保持する会社が、既に扱っているファンドの販売行為(Type 1行為) やアドバイス・投資顧問(Type 4行為)をする事は認めれています。限定的ですが、Type 1 もしくはType 4ライセンスを保持しなくとも、既に管理しているファンドの付帯的・派生的な業務として、営業・販売・アドバイスすることが可能です。
 
B) 機関投資家(Dealing with Professional Investors Exemption)。言い換えれば、機関投資家は、自身により投資判断を行うため、ライセンスをもった資産運用会社のライセンス必要ありません。

C) 完全親会社・子会社の資産運用業 (Group Company Exemption) 。100%株式を保持する親会社もしくは子会社の証券を資産運用することは可能です。自己取引・自己投資(Proprietary Trading)にはライセンスを必要としません。100%の資本関係がある関連会社のみとの取引でしたら、不特定多数の投資家にサービスを提供するものではなく(則ち「業」とみなされないため)当該業務はライセンスを必要としません。

D) 信託法人受託者による資産運用(Trust Company Exemption)
投資家が信託会社に拠出し、TCSP (Trust and Company Service License) ライセンス保持の会社が受託者(Trustee) となり、Type 1(証券販売)、 Type 4(アドバイス・投資顧問)、Type 9(資産運用)することが認めれています。 
SFCライセンス取得に注意点と必要要件
 
A) 期間は8カ月ほど
B) Responsible Officer (RO) 2名を雇用
   => 現RO保持者の雇用を推薦
=>  1名、(相場)年収150万HKDくらい
C) ビジネスプラン・マニュアル作
D) Manager in Charge (MIC) の選任
E) 内部統制の構築する必要があります。
F) オフィススペース
  => オフィスレイアウトを提出します

香港 アセットマネージメント事業に係わる規制について (その1)

香港は世界有数の国際金融機関が拠点をおき、ファミリーオフィスやウェルスマネージメントビジネスを始めやすい国際金融都市として知られます。

しかし、ファンドなどのアセットマネージメント事業を行うには、関連規制を理解する必要があります。本書では、どのような場合ライセンスが必要となるのか、また一般的に使用されるファンドストラクチャーについてご説明いたします。

「証券」(Securities)とは

まず、出発点として、扱う商品により規制が異なるため、関連規制について整理します。


Securities and Futures Ordinance(「香港証券先物法」香港法第571章)Schedule 5、Part 2にて、「Asset Management (Type 9)」(資産運用業)の定義は以下の通りです。

  • 「不動産投資スキームに係わる資産運用」(所謂Collective Investment Scheme もしくREIT)或るは
  •  「証券・先物契約に係わる資産運用」

上記(a)もしくは(b)に該当する場合、Securities and Futures Commission  (「SFC」繁体字名 證券及期貨事務監察委員會)よりType 9というライセンスを取得する必要があります。

それでは、「証券」とはなんでしょうか? 香港証券先物法Schedule 1、Part 1において「Securities」は、(要約すると)上場・非上場問わず法人・組合 (Partnership /Limited Partnership)の株式、債券(Debenture) と定義しています。後述の通り、ファンド持分は株式もしくは組合持分になります。

では、暗号通貨は証券に該当するのでしょうか? もし、暗号通貨が証券に該当するのであれば、暗号通貨のアセットマネージメント事業はType 9ライセンスを取得する必要があるのでしょうか? 

現在のところ、香港並びにシンガポールを含む英国法(Commonwealth)圏にて、「証券」法理を説明する有力な判例がないため、米国の判例Howey( 328 U.S. 293 (1946))を基礎として、「Investment Contract(投資契約)」であるのかを分析するのが一般的です(Howey Test)。 米国では、Howey Testに基づき、米国SECから見解や訴訟にて、中央集権型(Centralized)の暗号通貨 もしくはセキュリティートークン(Security Token)は、「証券」と位置付けるのが定説となっています。また、米国以外の国々では、セキュリティートークンは間違いなく、証券となります。従いまして、セキュリティートークン以外は、証券に非該当なため、暗号通貨を扱うアセットマネージメント事業はSFCの管轄下にありません(SFCには監督する権限はありません)。言い換えれば、もし、暗号通貨事業にてSFC Type 9を取得することを希望されるのであれば、最低限1つのセキュリティートークンに関連するプロダクトもしくはファンドを組みこむ必要があります。

ファンドの募集・私募

それでは、組成されたファンドの販売方法と販売に関する規制についてご説明いたします。

組成されてファンドは証券に該当するため、不特定多数の投資家に販売(募集もしくはPublic Offering)するには、ファンドを上場する必要があります。上場するのは香港でなくても、どの国の取引所でも構いません。(非上場の不動産投資スキームの場合は、SFC登録)。

しかし、例外として、私募(Private Offering)があります。私募には明確なルールはないため慣例として、広告を禁止したり、免責条項を付記したり様々なコンプライアンスルールを順守する必要があります。そのルールを厳守しつつ、販売行為が適格機関投資家のみもしくは50人の投資家(1投資家500万香港ドル以内)に限定された場合、(上場してなくても)ファンドを香港投資家に対して販売することが可能です。上場には膨大な費用と時間がかかりますので、私募を活用することで効率的に資金調達することが可能です。

【要約】

2021年 暗号通貨業者VASP適用 FATFについて

2018年10月、国際機関であるファイナンシャルタスクフォース(FATF)は、暗号資産に係わる金融活動がFAFTルールが適用されることを明確にするために、Recommendationの変更を行いました。 FATFにより、用語集に「暗号資産」(VA)と「暗号資産サービスプロバイダー」(VASP)という2つの新しい定義を追加されました。修正されたFATF Recommendation15は、VASPがマネーロンダリング防止およびテロ資金供与(AML / CFT)の目的に対抗するために規制され、認可または登録され、監視または監督のための効果的なシステムの対象となることを要求しています。

2019年6月、FATFは、特にVAの活動・運用、VASPへのリスクベースのアプローチの適用に関して、FATF要件がVAおよびVASPに関連してどのように適用されるべきかをさらに明確にするためにRecommendation15の解釈ノートを作成しました。

FATFはまた、2019年6月にVAおよびVASPへのリスクベースのアプローチの適用に関するGuidance1の最初のバージョンを発行しました。これは、各国当局がVA活動およびVASPに対する規制および監督上の対応を理解および開発するのを支援し、VA活動に従事しようとしている民間部門の事業体がAML/CFT義務を理解するのを支援することを目的としています。そして、それらがこれらの要件に効果的に準拠する方法。このガイダンスでは、VA活動に関連するマネーロンダリングおよびテロ資金供与(ML / TF)リスクを理解し、それらのリスクに対処するための適切な緩和策を講じるために、VA活動に関与する国およびVASP、およびその他のエンティティの必要性について概説します。特に、ガイダンスは、VAのスキームについて具体的に検討する必要があるリスク指標の例を提供し、トランザクションをさらに難読化する、またはVASPが顧客を識別する能力を阻害する要因に重点を置いています。このガイダンスでは、VA活動とVASPがFATF基準の範囲内にどのように含まれるかを検証しています。 VASP定義の対象となる5種類の活動について説明し、定義に含まれるVA関連の活動の例と、FATFの範囲から除外される可能性のある活動の例を示します。その点で、VASPとしての資格を得るのに必要な重要な要素、つまり、他の人のために、または他の人に代わってビジネスとして行動し、VA関連の活動を提供または積極的に促進することを強調しています。ガイダンスでは、FATF勧告の各国および管轄当局への適用について説明しています。また、VASPや、銀行や証券ブローカーのディーラーなどの金融機関など、VA活動に従事するその他の義務のある事業体にも適用されます。ほとんどすべてのFATF勧告は、VAおよびVASPに関連するML / TFリスクに対処するために直接関連していますが、他の勧告は、VAまたはVASPに直接または明示的にリンクされていませんが、依然として関連性があり、適用可能です。したがって、VASPには、金融機関および指定された非金融事業および専門職と同じ一連の義務があります。

このガイダンスでは、勧告ごとのアプローチに従って、FATF勧告に基づくVASPおよびVAに適用されるすべての義務について詳しく説明しています。これには、FATF勧告のすべての資金または価値に基づく条件(たとえば、「資産」、「収益」、「資金」、「資金またはその他の資産」、およびその他の「対応する価値」)にVAが含まれることを明確にすることが含まれます。したがって、各国は、FATF勧告に基づくすべての関連措置を、VA、VA活動、およびVASPに適用する必要があります。

ガイダンスでは、VASPの登録またはライセンス要件、特にVASPを登録またはライセンスする国を決定する方法について説明しています。少なくともVASPが作成された場所です。または、彼らが自然人である場合、彼らの事業が所在する管轄区域で。ただし、管轄区域では、管轄区域内または管轄区域から事業を行う前に、VASPのライセンスまたは登録を要求することもできます。ガイダンスはさらに、これらの国家当局は、必要な免許または登録なしにVA活動を実施する自然人または法人を特定するための措置を講じる必要があることを強調しています。これは、国レベルでVAおよびVA活動を禁止することを選択した国にも同様に当てはまります。 VASPの監督に関して、ガイダンスは、自主規制機関ではなく、管轄当局のみがVASPの監督機関または監視機関として機能できることを明確にしています。彼らは、リスクに基づく監督または監視を実施し、検査の実施、情報の作成の強制、制裁の実施など、適切な権限を持っている必要があります。 VASPの活動とサービスの提供の国境を越えた性質を考えると、監督者間の国際協力の重要性に特に焦点が当てられています。ガイダンスは、VASPおよびVA活動に関与する他のエンティティが、FATF Recommendation 10から21に記載されているすべての予防措置を適用する必要があることを明確にしています。ガイダンスは、VAのコンテキストでこれらの義務をどのように果たすべきかを説明し、特定の要件に関する説明を提供します時折の取引のUSD/EUR 1000のしきい値に適用され、それを超えるとVASPは顧客のデューデリジェンスを実施する必要があります(Recommendation 10)。また、VA転送を実行する際に、必要な発信者および受益者の情報を迅速かつ安全に取得、保持、および送信する義務(Recommendation 16)(「トラベル・ルール」)。ガイダンスが明確にしているように、関連当局は、これが国のデータ保護およびプライバシー規則と互換性のある方法で実行できることを保証するために調整する必要があります。最後に、ガイダンスは、VA活動、VASP、およびAML / CFTの他の義務付けられたエンティティを規制、監督、および実施するための管轄アプローチの例を提供します。

2021年10月、このガイダンスが更新され、公的部門と民間部門に改訂されたガイダンスが提供されました。これらの改訂は、FATFからのより大きなガイダンスが求められた6つの主要分野に焦点を合わせました。

(1)VAおよびVASPの定義を明確にして、これらの定義が広範であり、関連する金融資産がFATF基準(VAまたは別の金融資産として)でカバーされていない場合がないことを明確にするためのものです )

(2)FATF基準がステーブルコインにどのように適用されるかについてのガイダンスを提供し、ステーブルコインの取り決めに関与するさまざまなエンティティがFATF基準の下でVASPとして適格である可能性があることを明確にします

(3)各国が利用できるリスクとツールに関する追加のガイダンスを提供します。義務付けられたエンティティを含まないトランザクションであるピアツーピアトランザクションのML/TFリスクに対処するために

(4)VASPのライセンスと登録に関する最新のガイダンスを提供

(5)一般の人々に追加のガイダンスを提供します。 「旅行規則」の実施に関する民間部門

(6)VASP監督者間の情報共有および協力の原則が含まれます。このドキュメントには、2019年のガイダンスが組み込まれており、これに優先します。

【オフショア法人】オフショア法人株主として知っておくべき権利

法人の株主は単なる投資家では、ありません。会社法において、一定の権利は保護されています。

英国法圏の会社法において、株主の権利は、株式保有数もしくは割合により決まってきます。

本書では、英国法圏の代表として、香港のCompanies Ordinance(「会社法」)を参考に、株主保有数もしくは割合毎に株主としての権利を纏めます。尚、実際に権利行使をする際には、裁判手続きが必要となることについてお含みおきください。

株式保有数 1株式の場合
株式保有割合に関係なく1株でも株式を保有していれば、以下の権利を行使することが可能。
(a) 定款最新版(写し)の徴求 (97条)
(b) 最新の監査報告書(写し)の徴求 (430(1)条)
(c) 株式名簿に記載され、株券の受領(64条 並びに Schedule 180条)
(d) 株式名簿の検査(写しを取得する場合は有料)(631条)
(e) 議事録の検査 (620(1) 条)
(f) 買取請求権(9割保有株主に対して) (700条)
(g) 会社が株主に対して著しく不利益を与えた (724条)
(h) 株主代表訴訟 (733条)
(i) 配当権
(j) その他定款で定めた株主としての権利 (86条)
(k) ショートノーティスによる株主総会招集 (571(3)条)

2.5%保有
2.5%以上の議決株式(普通株式)を保有する株主には以下の権利があります。
(a) 次回年次総会での議案に関する通知(615条)
(b) 総会決議に関し、1000文字以内での意見 (580(1)条)
(c) 会社記録の点検 (740条)

5% 保有
5%の議決株式(普通株式)を保有する株主には以下の権利があります。
(a) 株主招集通知の不備による、特別決議の撤回 (91(1)条)
(b) 株主招集 (566(2)条)
(c) 評決要求 (591(2)(b)条)

5% 以上保有
5%の議決株式(普通株式)を保有する株主は、ショートノーティスにより開催された株主総会を拒否する事が可能 (571(3)(b)条) 10% 保有
10%の議決株式(普通株式)を保有する株主には以下の権利があります。
(a) 株式種類キャンセルのため裁判所へ提起する権利(182(1)条)
(b) 財務省への法人運営を調整するように申請 (section 840(2)条)

25%以上保有
特別株主決議の拒否

50%以上保有
普通株主決議の拒否もしくは可決

75%以上保有
特別決議の可決 (564(1)条)

【香港法人】 今さら聞けない香港登記書類について

香港金融機関並びに政府機関より、香港法人に係わる登記書類の提出を求められる場合があります。日本のように履歴事項全部証明書により全法人情報並びに履歴状況が一挙に確認できるシステムがないため、個々書類を使用することが多いです。

秘書役に問い合わせればわかる内容ではありますが、一般的によく使われる登記書類や名称について説明いたします。 なお、登記書類の全ては、Companies Registry (法人登記所)のオンラインデータベースより確認が可能です。 https://www.icris.cr.gov.hk/csci/  また、弁護士、公認会計士、秘書役に原本証明をお願いしなくても、こちらのHPより原本証明を手配する事が可能です。


ご不明な点がありましたら、Visence Professional Services にご相談ください。

登記書類の名前内容
NNC1会社設立時の申請書法人情報が記載(社名、登録住所、資本金、株主・取締役情報)昨年の会社法改正により、(プライバシー保護の観点から)取締役の現住所は、法人の登録住所にて代用できるようになった(株主の住所は引き続き必須)Founder創業者(設立時株主)のサイン必須取締役サイン必須(取締役が設立後15日以内に別途サインページのみ提出する事が可能)紙ベースでNNC1とAOA(後述)を提出すると、(補正に時間が掛からなければ)設立まで5営業日かかります。
NNC2社名変更するための申請書社名変更には、NNC2とは別に株主特別決議が必要社名変更が完了すると「Certificate of Change of Name」が発行
AOA定款(「Article of Association」の略)会社設立時にNNC1と伴に提出会社法で定められるモデル定款を使用するのが一般的 (参考)2014年会社法改正により「Memorandum and Articles of Association (M&A) 」が廃止されAOAに統一
CI設立証明書 (Certificate of Incorporationの略)会社名、設立日、法人番号が記載される社名変更している場合は、Certificate of Change of Nameが優先
BR事業証明書(Business registrationの略)発行機関は、Companies Registry ではなくInland Revenue Department (税務署)有効期限があり、1年か3年を選択可能(1年証書の方が割安) 法人の住所証明。法人尾ん登録住所を変更した際、BRの住所も自動的に更新されますが、事務的に更新されな場合があるため注意が必要法人名以外に、「屋号」(Business Name)を追加する事が可能
NR1法人の登録住所を変更するための届出書
NAR1年次報告書 (Annual Return) のこと。2014年会社法改正以前は、AR1と呼ばれていた。記載内容は、NNC1と同様会社情報を記載する昨年の会社法改正により、(プライバシー保護の観点から)取締役の現住所は、法人の登録住所にて代用できるようになった(株主の住所は引き続き必須)取締役か秘書役に調印権限設立後2年目より、設立記念日(Anniversary Date) から42日以内に提出 (例 2022年1月1日に設立した場合、2023年1月1日から2023年2月11日までに提出)会計監査とは関係なく提出が必要
ND2A取締役(自然人・法人)もしくは秘書役(自然人・法人)が辞任・解任・死亡、もしくは就任した場合(「事由」)の届出書 期限は、事由が発生してから15日以内就任する取締役もしくは秘書役のサインが必要 別途、事由の証跡としてレター(例 辞任届、就任承諾書)にサインしてもらうのが一般的
ND2B取締役(自然人・法人)もしくは秘書役(自然人・法人)の住所、ID番号・パスポート番号(自然人なら)等の変更に関する届出書
NSC1法人増資の届出書
NSC17/NSC19法人増資の届出書
Instrument of Transfer & Bought and Sold Notes株式譲渡証届出・登記はCompanies Registry ではなく、税務署株主情報は、次回NAR1にて更新