会計・税務

【香港税務アップデート】研究開発は損金算入が寛大な香港で!

香港では研究開発費は全額損金算入できるってほんと?

さらに、研究開発費の損金算入で優遇的な制度が適用されるってほんと?

香港の公認会計士のケンです。今日は香港の立法府で議論されている研究開発費の実際かかった金額の3倍を損金算入できる修正税務条例をご説明します。

研究開発(R&D)は損金算入

香港では、要件を満たした研究開発費は発生年度において、全額損金算入が認められています。それに加え、より厳しい要件を満たした研究開発費については、最大で実際に要した費用の300%(3倍)を損金算入することを認める、修正税務条例が2018年5月4日から立法会(香港の立法府)で審議入りし、可決されれば2018年4月1日以降の研究開発費に遡及的に適用されます。

香港での研究開発費の損金算入

Type A Type B
損金算入額 100% 最初の200万香港ドル:300%
それ以降:200%
研究開発活動 ・自然や科学分野の知識を拡大させる活動
・科学や技術に関する新たな知識を獲得するための研究
・新しい商品、プロセスやサービスへの研究成果の適用
フィーサビリティースタディ、市場・ビジネス・マネージメントに関する分析 左記は含まれない
研究開発活動の場所 香港内外 香港内のみ
研究開発費用(社内) 資本性の支出も含めた研究開発費(Type B以外の支出) 研究開発に係る直接人件費
研究開発に係る直接消耗品費
研究開発費用(社外) 香港の適格研究団体
適格研究団体に指定されていない大学等 左記は含まれない
損金不算入項目 ・研究開発活動に関する権利獲得のための支出
・土地や建物への支出
・政府やその他から支援された研究開発費用
・研究開発費用の損金算入だけを目的とした支出

上記の表は、従来の研究開発費用をType A、新たに修正条例で追加規定された研究開発費をType Bとして、それぞれにつき損金算入額とその要件をまとめたものです。

新たに提案されたType Bは、香港内での研究開発を促進し、国際競争力を高めることを目的に、香港内で発生した研究開発に係る直接人件費・消耗品費に支出を限定することで、最大で実際に要した費用の300%(3倍)を損金算入することを認める制度になっています。