今後、香港に出張や旅行にで行こうと思ったとき、台風が来たら嫌だなと思う人は多いですよね。また、香港は日本より南にあるので、何となく台風が多いイメージもあります。
香港を通過する台風の数とは

出典:SCMPより
香港天文台の調査だと、香港を襲う台風の数は年間6回程度です。対して日本の気象庁の場合、日本を通過する台風の数はばらつきがあるものの4〜6回程度。
日本と比較すれば若干多いかもしれませんね。
香港天文台の台風シグナルとは?
香港は歴史的にも貿易の中継地として栄えた歴史があり、ビジネスの中心部が海辺に面しているため台風のインパクトが大きいです。香港天文台は台風の来襲に合わせて、日本の警報・注意報のようなシグナルを発令します。
香港天文台の台風のシグナルのシステム
シグナルは1、3、8、9、10の5種類になっています。あとで述べますが、シグナル8が発令されると、学校が休校になるほか、多くの会社も臨時休業になるため、大ごとになります。
1917年にこのシグナルのシステムができた当初はシグナル1から7までのシステムだったのですが、使われないものが削除され、新たに追加されたので、現在残っているのはシグナル1、3、8、9、10のみとなります。

シグナル発令は香港天文台のウェブサイトやアプリ、報道機関を通じて発信されます。(画像は香港の放送局TVBのキャプチャより)
香港の台風シグナルで香港社会全体が休業状態に?

香港政府の労工署は台風時の従業員対応に関するガイドラインを出しています。実質このガイドラインが多くの会社の就業規則に反映されている実質の基準になっています。
<労工署ガイドライン(Code of Practice in times of Typhoons and Rainstorms)抜粋>
- 始業時刻前にシグナル8以上を想定される警報が発令されたら出社義務は発生しない
- 規定の終業時刻3時間以上前に、解除あるいは警報がシグナル8より下がったら2時間以内に出社する
- 就業時間中にシグナル8以上が発令が発令されたら帰宅する
- シグナル8以上の台風にともなう帰宅では、従業員の給与を引くことはできない
日本の気象庁にあたる香港天文台が発出するシグナルしだいで機械的に会社への出社義務がなくなるなど日本に比べると、かなりはっきりしています。
台風でもガッツで出社するとかそういった日本的な文化は皆無です。雇用される時、会社と交わす雇用契約書にも必ず台風が来た時の対応について明記があるのです。
覚えておくと良い簡単なルールとしては、シグナル8が出たら、会社には来なくて良いです。もしくは、シグナル8が発令された段階で休業、早引きOKです。
地下鉄も間引き運転となります。飲食店など多くのお店も閉店になります。
そんな中、台風時の娯楽として人気があるのが映画館です。台風になると会社を早く出た人たちが映画館で映画を楽しむ光景が良く見られます。
日本でもそうですが、台風が来る時の非日常のワクワク感ってあると思うんですが、香港ですと、会社に行かなくて良いことが明確なので、香港人も台風を少し待っているという感じです。
正直、台風の時期に出張や旅行がぶつかってしまったら、かなりできることは限られてしまう感じです。行きたかったレストランや観光地も休業。ビジネスのアポイントもキャンセルになってしまう可能性があります。
香港の台風情報はどうやって知るのか?

(1)香港人のマストアプリ、MyObservatory
香港の台風情報を知る上で欠かせないのが、香港天文台のアプリMyObservatory。
公的機関が作るウェブやアプリのサービスはあまり実用レベルにならないというのは良くある話ですが、本当にすべての香港人が入れているのではないかというアプリで大変な人気です。
台風警報やシグナルの詳細がわかるほか、その地域ごとの天気や気温といった細かな情報もわかります。スコールなど一時的な大雨予報などもあるので、重宝しますね!
(2)旅行で来る方におすすめしたいのが、香港国際空港のアプリHKG My Flight
HKG My Flightは台風はもちろんですが、台風などの悪天候時のフライトキャンセルや遅延の出発・到着見込みなどもリアルタイムで更新されます。荒天時は搭乗口の変更など何かと変更ごとがあるものです。このアプリを使えば、飛行場での変更などバタバタしなくて済みます。
2つともアプリは英語に対応しているので、是非使ってみてください。
香港の台風のピークである6〜9月は夏休みの旅行シーズンでもあります。台風情報を確認して、もし台風シーズンでもなるべく楽しい旅行や快適な出張を過ごして下さい。