会計・税務

【香港の税金を徹底解説!】不動産所得税の概要と実務

香港の不動産は値段が上がってるみたいだけど、どんな税金がかかるのだろう?

香港の不動産への投資を考えてるけど、日本人には特別の税金がかかるのかな?

こういった疑問に答えます。私は香港の公認会計士で、不動産に関わるビジネスにも関わっています。香港にとって不動産は主要産業です。不動産に関わる税金はいくつかありますので、今日は概要をなるべく噛み砕いてご説明します。

香港の税金―不動産所得税の概要

不動産所得税は、香港内の不動産から賃貸収入を稼得する香港不動産所有者に課税され
課税所得に対し15%の税率を掛けて算定されます。

また物件のサブリース事業を行う納税者は不動産所得税ではなく、事業所得税が課されます。これは当該納税者は不動産の所有者ではないためです。

具体的に税額は、賃貸収入総額から、建物の維持修繕コストとして20%を控除した金額に、15%を掛けて計算されます(賃貸収入 × (1 – 0.2) × 15 %)。

税務申告

課税年度は4月1日から翌年3月31日までです。不動産賃貸所得を不動産所得申告書(Property Tax Return)に記載の上、申告します。

また不動産所得税の課税所得がある場合は、例えIRDから申告書が送付されなくとも、課税年度終了後4ヵ月以内(7月31日)にIRDへ課税所得がある旨を通知する必要があります。IRDは、提出された書類を基に課税所得を査定し、賦課通知書を納税者に送付します。

香港の納税には予納制度が導入されており、税金を納付する際は、確定年度分の納税に合わせて、翌年度分の予納も行います。詳細につきましては、関連記事をご参照下さい。

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香港の税金―不動産保有に係る税金

香港にも日本の固定資産と同様の不動産の保有に係る税金があり、その主なものにRatesがあります。Ratesは政府が定める不動産評価額を課税標準として5%の税額が課されます。このRatesは事業所得税・給与所得税・不動産所得税といった所得にかかる税金と異なり、Ratesの通知書に従い4半期毎に納税する必要があります。また予納制度はありません。

香港の税金―不動産取引にかかる印紙税

印紙税は、書面によって履行される不動産取引に課税されます。不動産取引が活発で、価格の上昇が著しい香港では、印紙税が不動産価格抑制策に一役買っています。

今まで香港政府が導入した主な抑制策は、

  • 住宅用物件の印紙税引き上げ
  • 特別印紙税の導入
  • 買主印紙税の導入

があります。

住宅用物件の印紙税引き上げにより、以前に比べ税率が倍になっています(最高税率が4%から8%に)。

特別印紙税は、住宅用物件の短期売買を抑制するため、3年以内保有での売却には、保有期間に応じて追加で最高20%の特別印紙税が売買価格に対し課されます。

買主印紙税香港永住居住者以外の投資目的による住宅用物件の売買を抑制するために導入され、香港永住権カードを保持しない買主には追加で15%の買主印紙税が売買価格に対して課されます。

不動産は香港の主要産業であり、香港経済に大きな影響を与えるものです。価格が上昇を続ける香港の不動産は日本を含む各国投資家からも注目を受けています。不動産関連の税金について興味がある場合、どうぞお問い合わせ下さい。